即興演奏 Play adlib?

ニューオリンズジャズ JAZZ

JAZZ音楽の面白みはアドリブ演奏にあるでしょう。もちろんメロディも素晴らしいものが沢山ありますよね。
一言で言えば、音に対する感受性の違いでしょうか、食べ物でしたら好き、嫌いの好みは誰でもあることですよね。音楽も似たようなもので、好き嫌いでいいと思います。


初めてJAZZを聴いた頃は、何か熱いものを感じた。心の無茶苦茶したものが吹っ飛んでいくような、クールさを感じた。
アドリブ(improvization)は一見無茶苦茶に演奏しているようですが、ちゃんと道筋がある。
大きい川の流れの中で小舟を漕ぐ時のように、演奏もその小舟に乗って自由に奏でているのです。人によってはジグザグに漕ぎ人、ゆったりと滑らかに漕ぐ人、様々です。
もちろん音楽ですから主題はある。例えばそのテーマとは、京都の小川のせせらぎのような穏やかな川です、とテーマを演奏をし、その後プレイヤーは京都の小川の中(川の流れ=ハーモニー)で自由に演奏するのです。これがアドリブですね。演奏者はそのテーマに沿って、自分の思いを音で自由に表現します。
アドリブが良い、悪いはリスナーがその演奏者のエモーションをどこまで共有できるかでしょう。人により好みも別れる所です。

またそこにはJAZZの持つリズム感があります。所謂ビートの裏で緊張感を出します。例えば4拍子のリズムがあると、その2拍目と4拍目に強いリズムを表現します。また1拍子をVに例えると(両手を上と下に構え、上下にVと叩いたのが1拍とすると)、ダウンとアップがあり、そのアップを強く意識し演奏するのです。


もう一つJAZZと言っても音楽ですから、ハーモニー(和音)も独特だ。ダイヤトニックコード+代理コードを多様しています。ドレッシングで例えればイタリアンドレッシングにパクチーや梅干しを入れたり、チーズであり、ノリであったり全く独特な風味を添付するようなもの。しかしあくまで基本はスパイスの効いたイタリアンドレッシングなのです。

デキシージャズ

グレーハウンドバスでボストンから2日かけ、ニューオリンズに一人旅する機会が会った時、あるクラブで年配の黒人数人がデキシー音楽(JAZZ音楽の前進)をプレーしていました。
テーマを演奏した後、一人ずつJAZZの即興と言うより、わずかに崩したテーマを淡々と演奏してました。しかし聞いていてじわっと熱いものが感じられ物凄く感動したものです。
”これが俺のJAZZや、どうや!”黒人たちの生き様をそのテーマに沿演奏していたんですね。


その後、川と言うより海か湖に近い、ミシシッピーの畔でボーっと余韻を楽しんだ事を思い出しました。
JAZZはその演奏者の音そのものに強烈な個性があります。だからピアノでもサックスでも1小節でも聞けば誰の演奏家はわかってくるんですね。歌声と同じなんです。JAZZは生きた音楽、生き様を反映する音楽なんですね。

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