ラインライティング技法 Line Writing?

ラインライティング技法 JAZZ

 このラインライティング技法とは、JAZZアンサンブルにおいてJAZZのエスプリを醸し出すテクニックの一つです。当時この学校でline writing とduke ellington技法を習得すれば食いこぼれがないとさえ風潮する声も一部にはありましたね。

この技法はハーバード大出身のTP奏者ハーブ・ポメロイ氏が編み出したものです。1クラス20名1年間の講義です。
受講するにはJAZZの基礎終了の上(通常は約2年間の授業で習得出来るが、人によりそれより早く終了することも可能)、+bigbandの編曲のオーディションに通過する必要があります。年1回のオーディション当日アンサンブル(学校ではトップクラスの学生の編成)のクラスに行き、その場で演奏されます。(当時は全体で60名位は応募していたようです)
しかしJAZZの基礎終了を要求されますが、これまでクラスではbigbandの編曲を論理的に学んだだけで、実際応募する生徒は殆どその基礎のみでの編曲をしたものです。もちろんパーツ譜持参です。(移調楽器はそのキーでの譜面でないと音は合いませんからね)

 講義概要はアンサンブルにおいてのJAZZのエスプリを散りばめる技法、クラシックでの対位法的なやり方に似てはいます。例えば、大根はどこの部分を切っても丸い大根と同じように、音楽はどの小節どの音符を切ってもそこには和音が存在するものです。ラインではある目標の音に向かい、全体が扇型、逆扇型に構成していくのです。調性は保持しながら、ここにはどこを切っても和音と言うものに拘りません。
夜空に羽ばたく花火のような、壮大なサウンドが得られるのです。この技法は管楽器にかぎらず、音楽全般に通じる技法ですね。究極はprimary disonantをコントロールする事です。

 全てJAZZの構成要素の突き詰めです。和音、コード、リズムです。徹底的に覚えさせられました。ある程度すると実際にアンサンブルでの編曲をし、演奏されます。一年間はこの理論と実践の繰り返しでした。
ホームワークが出されます。(他のクラスはほぼ宿題等はありません)
たった一つの和音(big bandでは最大13本の楽器構成なので14個-4tp-4tb-5sax-で1列の和音を構成する宿題)を作るのに丸1日かかってやった覚えがあります。
それでも、ものの30秒ほどで間違いを指摘されます。自分はほぼ間違い等を指摘されました。
(自分はなんでもそうですが、人より物の覚えがよくなく、何回も人の勉強する2-3倍は勉強しないと覚えられなところがあります。しかし一旦覚えたものはテコでも忘れません)
しかしいるのもですね、1回も間違いのない宿題をこなした日本からの女性がいました。今は亡き日本の現代音楽TTの第1人者の血を引く人でした。

 後日クラシックの対位法と受講したのですが、教え方が全く反対でした、クラシックではやってはいけないルールをまず頭に叩き込むのです。JAZZでは、やるルールを最初に教えるのです。最終的には同じなのですが、、。しかし物事には様々な仕様があるものです。自分はやはりアメリカ的でしょうか、やるルールを先に覚える方がしっくり来ます。

この講座が終了すると、実は次のduke ellington技法のクラスがあり、その上にはプライベート作曲の講義があるんです。ラインで20人から選抜されdukeで10人に最終クラスでは5人程度に縛られるのです。(オーデションはなく指名です)次回はduke ellington技法について話します。

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